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映画「第9地区」感染しなくてヨカッタよ…

「第9地区」映画情報

スキ度: 4.0

2009年 / アメリカ制作
2010年 / 日本公開

  • 監督: ニール・ブロムカンプ
  • 上映時間: 111分

ストーリー

南アフリカ上空に現れた宇宙船。しかしエイリアンは襲撃に来たのではなく、宇宙船の故障で漂着しただけだった。その28年後、エイリアンと人間が暮らす共同居住区“第9地区”はスラムと化し…!?

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南アフリカ上空に突然現れた宇宙船。故障のために機能停止した宇宙船の中には、衰弱しきったエイリアンたちがひしめき合っていました。当初、地球ではエイリアンたちに「第9地区」と呼ぶ難民キャンプを用意して友好的でしたが、次第に街の住人との軋轢が生まれ、衝突も起こるようになっていました。

宇宙船出現から28年後、スラム化した第9地区からエイリアンたちを新しい居住区に移転させる計画が持ち上がります。その責任者になったのが、ヴィカスという、人のよさそうな男でした。

ヴィカスは部下たちを連れて第9地区へ向かい、立ち退き了承のサインを求めますが、エイリアンたちは簡単には応じません。それでも一軒一軒エイリアンたちの家を訪ねる中、ある家で実験室のような隠し部屋を見つけます。

実は、エイリアンたちには特殊な武器の製作能力があり、ヴィカスたちの真の目的は、彼らの武器を手に入れ、技術を盗むことでした。

「第9地区」感想

公開当時、かなり評判の高かった作品です。レンタルで観ようと思っても、貸し出し中になってることが多かった記憶があります。

B級映画と侮るなかれ

有名俳優が出ているわけでもなく、どちらかといえばB級作品に分類されそうですが、侮ってはいけません。

例えば、『未知との遭遇』や『E.T』のような素敵系のSFが好きな人には、刺激が強すぎるかもしれません。

『プレデター』や『エイリアン』のようなバトル系とも、ちょっと違います。

どちらかというと『マーズアタック』のような、観ていて「腹立つ~」となるイライラ系の部類かな?

でも、ストーリー的には上にあげたどの作品よりも、斬新で、捻りが効いてて、アクションも楽しめる娯楽作品です。

ドキュメンタリーか?と思う手法で事の顛末を追いかける手法も新しいです。

あ、でもグロ映像が苦手な方には、ちょっと無理かも…。劇場の大画面や大音量で観る自信は自分にもありません…てくらいの映像なので。

虫ギライな人は、初っ端でアウトでしょう。「エビ」と蔑称されるくらいの汚くて醜い姿のエイリアンは、そのビジュアルだけでアウトな人も多いと思います。

けど、脚本は皮肉が効いてて上手いので、観る人を選ぶ映画かなぁと思います。

宇宙人は「エビ」って呼ばれるくらい

海老に似てるんだけど、全然可愛くないョ🦐

私だって、本来はグロ映像は苦手なんですよ。ただ、当時は「予備知識なしで観たら相当面白かった」という評判だけを聞いて観たので、ちょっとヤバそう…と思ったときにはストーリー展開に目が離せなくなって、結局最後まで観てしまいました。

今回も、久しぶりに観て最後まで引っ張られ、切ない気持ちを思い出しました。

とにかく主人公がクズで、救いようがないんです。

善人なんだけど、優秀じゃない人。

クズなのに善人とは是いかに?

ヴィカスという人は根は悪くないんだけど、なにせ気の弱い一般市民なので、有事の適応能力があまりにも低いんです。

一般的な映画なら、絶対に端役の立場にいる人。でも、そんな人物が主人公だからこそ、このストーリーが成立するんですね。

演じてる役者さんが無名の俳優さんっぽいのも、上手い配役だなぁと思いました。仮に有名俳優が演じたら、立ち退きのサインをもらいに歩く姿が、もっとスマートになっていたことでしょう。

シャールト・コプリー演じるヴィカスは、初めての大役に浮かれてる感じが凄くよく出てまして、「何かやらかしそう」な感じがプンプン漂ってました。

ヴィカスは、思いもよらない出来ごとに全く対応できないどころか、どんどん深みにはまって行きます。それはもう「悪手」と表現できるような戦法でもなんでもなくて、咄嗟に走る方向をいつも間違える人でしかありません。

その上、この映画が腹立たしいもうひとつの理由は、登場人物の全てが「ろくでもない奴らばっかり!」だからでもあります。

ドキュメンタリー場面では、自分たちが体験、もしくは見たものを冷静に語る人々が登場しますが、実際には自分の都合で動く人間しかエイリアン対応には当たりません。

対するエイリアンも、「それだけの技術を持ってるなら帰れるんじゃないの?」という疑問もわきますが、どうやら頭がいいのはクリストファー親子だけで、他のエイリアンたちは、いわば働きアリのような階層の者たちばかりで、知性は低いようでした。

話が嚙み合わない同士のやりとりは、すぐにドンパチ状態になってしまいます。

あぁ~、もう、イライラする!

どこかで経験したような?

ただ、冷静に考えてみた時に、ふと「あれ? 最近、似たようなことを経験したような?」と感じました。

そうだ、パンデミックだ。

ヴィカスの行動やそれに関わる周囲の思惑は、映画として外側から観ている私たちには全体像が見えているので、冷静に判断ができます。

「なんでそうなるかなぁ~」と笑ってみたり、イライラしながら観ているだけです。

でも、実際に当事者になった世界的パンデミックの際、冷静に正しい判断ができた人、国、どこにも無かったよね…ということを、私たちは経験してしまいました。

そう思うと、ヴィカスやその周囲は自分達に置き換えることもできる気がします。

ヴィカスの吐しゃ物が原因で次々と同じ症状を発する人々が現れる、、、なんて感染症だったら、別のパニック映画になってたろうし…。

しかも、その火種は本当に消えたのかもわかりません。問題は先送りになっただけで、本当の解決には至っていないというのも、なんか、ねぇ。

多分、映画作成当初は異物に対する排除意識や、利益に走る金満主義への皮肉みたいな意味もあったのかもしれませんが、今ならもうひとつ、パニック時の人間心理みたいなものも読み取れる気がして面白かったです。

パンデミック後に観るのも一興ですな。

3年後に何かがおこる予感を残して映画は終わってるので、いつか続編ができることを期待してます。

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