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懐かしのドラマ『池中玄太80キロ』昭和55年

土曜の夜、家族揃って、笑って、泣いて楽しめる、心温まるドラマでした。

池中玄太80キロ

ストーリー

池中玄太(西田敏行)は大京通信社の専属カメラマンで、報道撮影のかたわら鳥類、特に丹頂鶴の写真を撮影することをライフワークとしていた。編集長楠英政(長門裕之)との報道写真をめぐる激しいやり取りが続く日々でもあった。ある日、そんな玄太が子持ちの未亡人鶴子(丘みつ子)と知り合い、結婚することになる。鶴子の3人の娘 絵理(杉田かおる)、未来(有馬加奈子)、弥子(安孫子里香)が玄太になつかないまま5人による同居生活が始まった。最初は3人の娘は玄太に距離を置いていたが、しだいに玄太に打ち解けるようになってきた矢先、妻の鶴子が脳内出血で倒れ、帰らぬ人となってしまう。
残された3人の子供たちに対して周囲では、他人の玄太には育てるのは無理と反対をするが、玄太は鶴子との約束だと言って、3人を立派に育てて見せると宣言する。その後、玄太と3人の娘は本音で格闘しあい、やがて、本当の家族以上に理解しあえる関係になっていく。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

基本情報

放送期間
1980年4月5日~6月28日
放送枠
日本テレビ系列「グランド劇場」
放送時間
土曜 21:00~21:54
放送回数
全13回
主題歌
西田敏行「風に吹かれて」
主なキャスト
池中玄太:西田敏行

鶴子:丘みつ子
絵理(えり):杉田かおる
未来(みく):有馬加奈子
弥子(やこ):安孫子里香

楠英政(ナンコウさん):長門裕之
鳴山暁子(アッコ):坂口良子
杉野透(半ペラ):井上純一
前川秀也(ヒデ):三浦洋一

本城理三郎:宇野重吉
春江:丹阿弥谷津子
歌子:松尾和子
チエ(チーちゃん):藤谷美和子
備考
主題歌「もしもピアノが弾けたなら」(西田敏行)と挿入歌「鳥の詩」(杉田かおる)は、どちらもパートⅡで使われた。
シリーズ
パートⅠ:1980年4月5日~6月28日
パートⅡ:1981年4月4日~8月29日
ビッグスペシャル:1982年4月3日(土曜日)
スペシャル:1986年10月11日(土曜日)
パートIII:1989年4月8日~5月6日
さよならスペシャル:1992年10月6日(火曜日)

想い出

大好きだった『ちょっとマイウェイ』の後に始まった『池中玄太80キロ』。二枚目俳優が主役を務めるのが常だったそれまでとは打って変わり、「え? こんなおデブなおじさんが主人公?」とビックリしたもんですよ。

しかも、そのまんまがタイトルになっちゃってるんだから、当時の制作陣は思い切ったもんですよね。

当時は80キロなんて体重は「嘘でしょ!」と思ったもんだけど、その後の池中玄太の中の人の体型を知ってるから、今見ると「痩せてる」と思えてしまうのが笑えます。

そういえば、あの頃は二十を超えた人たちの年齢を数字で見ても感覚がつかめなかったけど、自分自身が年を重ねると「池中玄太 35歳」という年齢設定がちゃんと「程よい年齢」になってるのがわかります。

久しぶりに第一話を観たんですが、初回だけでも怒涛の展開になってますね。

出会い → プロポーズ → 結婚 → 同居 → 別れ → 再スタート

ギュッと全部が詰め込まれてるけど、無理した感じは全くなくて、新しい生活が始まるまでのストーリーがしっかり描かれていて凄いなと思いました。

前半では、結婚するまでのエピソードがあまりにもサラッと流されたので、結婚式が唐突に思えました。ところが後半になってから、二人の出会いが思い出を振り返る形で美しく描かれます。そんな中、北海道の大雪原を鶴の群れが舞い降りてきて、それはそれは美しい光景が広がります。

が、そこからの急展開は泣かずに観ることができない流れになってます。

子供の頃は、こうした大事なストーリーは切り落として観ていて、ナンコウさんとの怒鳴りあいバトルや、取材先でのモミクチャ具合とか、見た目の面白さに心奪われてた気がします。

なにより学園ドラマの黄金コンビである井上純一と藤谷美和子の二人が出演していることが、私たち兄妹にとっては大事なことでしたから…。

ドラマの評判がよかったおかげでパート2が制作されましたが、放送されたのはパート1終了から1年も経ってなかったんですね。

時期が近いための勘違いか、はたまた曲のインパクトが強いせいか、このドラマの主題歌といえば『もしもピアノが弾けたなら』と即答する人が多いと思いますが、なんと、実際に使われたのはパートⅡでした。杉田かおるが歌った挿入歌『鳥の詩』もです。

違ったんかい!と、Wikipediaを見て声をあげてしまいましたが、Youtubeのおかげですぐに当時のオープニング映像と共に主題歌『風に吹かれて』を聴くことが出来ました。(便利な世の中になったものですね…)

あぁぁぁ~~~~、そういえばぁ~~~~

遠い・・・あまりにも遠い記憶ですが、そうだった・・・気がする・・・

中学生だった私がどうしても忘れられないエピソードがひとつありまして…

それが、長女の絵里がアルバイトを始めた時のこと。ある女性客が清算にやってきて、絵里にお金を渡します。絵里はお釣りの金額を告げるんですが、その額に対して女性客が文句を言うんです。

「私が出したのは1万円札よ。計算が間違ってるわ!」

絵里は受け取ったのは確かに5千円札だと言い返すんですが、身なりの整ったいかにもな女性客に対して店のオーナーは平身低頭で、ちゃんと確かめもせずに一方的に絵里に謝罪して返金するように詰め寄るんです。

最終的にはレジを清算した金額と残っていた金額が合っていたことで、絵里は間違っていなかったという話なんだけど、この流れは私の心の中にずぅ~~~っと残ることになりました。

正しいか、正しくないか、が問題ではない場合があるんだ。

大人の世界って怖い。

ドラマ的には、玄太が絵里を信じ、絵里と同じように傷ついて、一緒に乗り越えて絆を強めるってぇ話が本筋なんでしょうが、私個人としては、すっかり「人生の心得」的なものになってしまいました。

自分がアルバイトを始めて実際にお金の受け渡しをすることになった時は、すでにこの心得は頭に叩き込まれていて、自衛策もバッチリしてました。ドラマの影響恐るべし。

けど、これって現金授受に限らずの話で、いろんな場面での自己防衛的な心得として大事だと思うんですよ。なので、ありがたい教えとして、ずっと感謝している内容です。

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