球根から育てるチューリップは、一度植えればあとは勝手に毎年咲くものだと思ってました。
ところが球根には植えっぱなしでもOKのものと、そうでないものがあり、チューリップは後者でした。
チューリップを翌年も咲かせるには?
正確には、植えっぱなしが全くダメということではありません。
チューリップを翌年も咲かせるには、球根をしっかり育てて花を咲かせるだけの養分を十分に蓄えさせる必要があります。
そのためには、花が終わりかけたら早めに葉っぱだけを残して花を摘み取ってしまいます。こうすることで、球根に養分が集中するようになります。
ただ、チューリップはもともと涼しい地域の花なので 日本の暑さは苦手 です。そのため、育った球根は夏の前に 掘り上げて風通しの良い場所で保管する ように推奨されています。
球根掘り上げの時期はチューリップの葉が黄色く萎れてきた頃。地域差もありますが、だいたい5月終わりから6月くらいにかけてが目安になります。
6月まで待てるの?
さて、チューリップを翌年に持ち越して咲かせるメカニズムは理解したものの、4月に咲き終わり、葉っぱだけになったチューリップをずっと花壇に残しておけますか?
ガーデニングにとって5月なんて最高に楽しい時期じゃないですか。
ホームセンターの園芸コーナーには夏用の苗が所狭しと並べられます。これを素通りできます?
夏の花を咲かせる準備のためにも、花壇の整理は早いうちに終わらせておきたいものです。
そう考えると、咲くかわからない球根を頑張って育てるより、秋になったらプロが育てた優秀な球根を買ってくるほうが花壇の管理に余裕ができて一石二鳥に思えたんです。
立派な葉っぱをザバザバ抜いてく時は罪悪感もあるんですけどね。
それでも「違う品種を楽しむぞ!」と割り切ることにして、私は球根を育てることはやめました。
密かな実験
とはいえ、どこかで地植えの底力的なものを信じていた私は、チョコッとだけ反発心が芽生えて「秘密の植えっぱなし作戦」なるものを決行したことがあります。
庭の中でも特に日当たりの良い場所で、低木落葉樹のユキヤナギの下。
その場所は「ほったらかし」にはもってこいの場所でした。
完全ほったらかしで、追肥も水やりも一切なし。
どうなったかというと…
作戦に使った品種はクリスマスドリームというピンクの一重咲きチューリップです。緑に映える可愛いピンクの花が咲きます。
1年目は花弁が肉厚で逞しく感じるほど。
2年目。「あら!咲くじゃない!!」と大満足の咲きっぷりでした。
とはいえ写真で比べると、やや小ぶりになってるのがわかります。
3年目。さすがに葉も茎も痩せてきました。なんとか咲いてますが、ちょっとかわいそうな感じでした。
その後は芽を出す数が徐々に減っていき、1輪だけが咲いてた時は、その健気な姿に涙が出そうでしたよ… (ノД`)・゜・。
そして、ある時を境にパタッと姿を見なくなりました。
それでも3年はこうして存在感を示してくれました。
最後に…
チューリップの球根問題は「もったいない」という感覚から「できるならやってみよう」と調べる人が多いと思います。
ただ実際問題として、球根を立派に育てるためには1か月ほど花壇を占領することになるし、時機を見て掘り上げて正しい環境で保管するなど、結構ハードルが高いです。
それならいっそ、最初から「ほったらかし」にできる場所を選んで植えるのもひとつの手だと、選択肢に入れるのもいいんじゃないかと思います。
庭の中で陽当たりがよく、他の草花を植えない場所が確保できるなら、チャレンジしてみるのも面白いですよ。