『トンマッコルへようこそ』映画情報
2005年 韓国
上映時間: 132分
スキ度:
ストーリー
舞台は朝鮮戦争が激しさを増していた1950年11月。太白山脈の奥地にトンマッコルという小さい村があった。トンマッコルとは「子供のように純粋な村」という意味。そこの村人は戦争が起きてることなど露知らず平穏に暮らしていた。
そんなある日、村に3組の不思議な客がやってきた。空から飛行機と共に落ちてきたアメリカ軍兵士。ヘルメットを被った韓国軍兵士たち。そして韓国と対立している人民軍兵士たち。最初は敵対していた韓国軍兵士と人民軍兵士だったが、村に親しんでいくうちにいつしか互いの敵対心が消えていくようになる。しかし戦争の脅威はこの村をも蝕んでいこうとする。
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『トンマッコルへようこそ』感想
トンマッコルに訪れた3組の男たち
戦争とは無縁の平和なトンマッコル村に、ひょんなことから3組の兵士たちが集うことから始まる物語です。
訪れた3組は、北の兵士3人、南の兵士2人、連合軍のアメリカ人兵士1人です。
この構成が実に巧妙で…。
北の兵士の3人は、若い将校、中年の下士官、そして、幼さの残る新兵という構成。
南の兵士は、若い少尉と衛生兵の2人。
アメリカ人兵士(大尉)は足にケガをして思うように動けない。
どうです?
なにか感じますよね…。
そうです、この兵士たち6人は、揃いも揃って、実はろくに戦える人がいない、というのがミソです。
この顔触れだからこそ、続くストーリーに説得力が出るんですねぇ。
不変のテーマ
トンマッコルは「子供のように純粋な村」という意味の名前で、それぞれの背景をリセットする役割になってるんですね。誰もが無垢の状態に戻ってしまう場所。
国も人種も、何もかも違ったとしても、こうしたゼロ地点で無垢の感情で出会っていれば、人々はただ目の前の人と向き合い、生活し、笑い合うことができるのではないかと気づかされます。
ジャケ写の笑顔が、なんと素敵なことか…。
ところが、争いとは無縁の場所に、外部から無理やり力を持ち込んで争いを起こすのも人間で、歴史を振り返れば、これをずっと繰り返しているんだということにも気づかされてしまいます。
過酷な運命が近付いていることにも気づかずに笑って呑気に過ごしていると、ドッカーンと重たい現実を突きつけられるのは、視聴者のほうです。
これから観ようと考えてる人は、あんまり期待しないで観てください。
そしたらきっと、裏切られた!と思うほど、面白いし、感動するし、切ないです。
たまたま朝鮮半島の戦争を題材にしてるだけで、中身は、どこかで現在も起こってる不変のテーマだと感じます。
日本映画へのオマージュ…なのか?
野暮ったい映像と演出も、それが演出だと思えば「上手い」です。
劇中で、何度かスローモーションで映し出されるシーンがあるんですが、各人の心情の変化がよくわかるカメラワークになっています。
初めて観た時は、なんじゃこりゃ…と安っぽく感じたシーンでも、2度、3度と見るとイメージが変わりました。特にポップコーンとイノシシのシーンがお気に入り。
後半に入り、アメリカ人兵士のスミス大尉を救出するため、連合軍が村を急襲します。穏やかな救出劇とは言えない内容ですが、この時の騒動で、24時間以内に連合軍が村に掃討作戦を決行することがわかります。
村への爆撃を逸らすための陽動作戦を考えた6人は、村人たちに別れを告げて出て行くことになります。
この時、ある事情があって兵士の数が6人から7人に変わってるんですね、、、
あれ?『七人の侍』になってるよ。
そういえば、イノシシの場面は『もののけ…』。しかも音楽は久石譲。
この監督さん、日本映画が好きなのかな?
『トンマッコルへようこそ』を観るには?
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