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『瓔珞(エイラク)』3倍楽しむために知っておきたいこと

瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~

ドラマ「瓔珞」は中国・清朝時代の宮廷時代劇です。日本とは文化も歴史も違うので、ドラマ内の会話で「なに?」と思うことが沢山ありました。

テキトーに流してしまった小さな出来事や言葉が、後になって大切なことだったと分かることがあります。

そこで、全70話あるうちの半数くらい視聴した頃に「やっと」理解できたことや調べたことをまとめてみることにしました。このことを最初から知っていたら、もっとドラマの導入部分から楽しめたのになぁ~という個人的な反省を踏まえて、お役に立てれば幸いです。

観る前に知っておくと3倍楽しめる!

このドラマの舞台となっている清王朝は、中国最後の帝国です。

乾隆帝(けんりゅうてい)

乾隆帝は、清朝の第6代皇帝。

清の歴史の中で最も隆盛を極めた時代にあたり、在位は60年間という長さを誇ります。

その頃の日本は江戸時代で、乾隆帝が即位した頃は『暴れん坊将軍』として知られる徳川吉宗が将軍職に就いていた頃です。

25歳という若さで皇位を継いでいて、ドラマ『瓔珞』で初登場する頃は30~31歳あたりになるはずです。

瓔珞版の乾隆帝は『おじさんっぽい』印象ですが、実は『権力が安定して脂の乗り切った頃』の皇帝だったと言えますね。

妃嬪たちの階級

皇帝の妃たちは、皇后(正妻)以外は皆さん「側室」になります。

皇后と側室では雲泥の差だというのは何となく想像がつきますよね。

では、側室にも階級(ランク)があることをご存じですか?

最初、わたしは妃嬪たちの階級に関して無頓着で、何話か視聴した頃になってようやく「〇〇高貴妃」「▲▲妃」「●●嬪」という呼び名に、妃それぞれの「位」が表されていることを理解しました。

後宮内での位は、ひとつ違うだけでも待遇から権力から何もかもが違います。そのために位を巡っての争いが絶えないのだということを理解しておくことが重要です。

この階級。男性なら軍事や治水事業などの功績が認められる解り易さがあります。

一方、妃嬪達の場合、最初は家柄や素質などで決められ、その後は皇室への貢献度や出産などの理由で昇級していきます。ぶっちゃけ、ドラマでは皇帝の胸三寸で決まってしまう感じなので、皇帝のひと声で上がったり下がったりしてました。

妃嬪達が何と呼ばれているかで後宮内でのランキングは一目瞭然なので、早めにこのランキングを把握しておくと、一層物語を楽しめます。

では、どのような階級があったか?というと、以下、Wikipediaより抜粋です。

清代の制度では、皇貴妃(定員1人)、貴妃(定員2人)、妃(定員4人)、嬪(定員6人)、貴人(定員なし)、常在(定員なし)、答応(定員なし)、官女子(定員なし)。位号の前に漢字1字(封号)をつけることが許されていた。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

わかりやすく、図にしちゃいましょう!

他の資料では、「貴人:12人」「常在:20人」「答応:28人」という記載もありました。

この違いが理解できると、

誰が誰に頭が上がらないか、すぐわかるね!

要するに妃嬪達はお互いに「専務!」とか「部長!」と呼んでいるのと一緒w

第1話に「高貴妃」という威圧的で印象的な女性が登場します。
この方の場合は「高氏」+「貴妃」ということになり、皇后に次ぐ身分の女性になります。

上の図のピラミッドを見るとわかりやすいですが、皇后のすぐ下には「皇貴妃」というランクが用意されています。ところが、皇貴妃は皇后の代理という位置づけで、臨時に置く極めて珍しい存在だったようです。このことをよぉ~く覚えてドラマ後半を楽しみましょう♪

階級と宮殿を整理(第40話までに登場した妃嬪たち)

ドラマ内で起こる事件は大抵「〇〇宮で~」と表現されるので、それぞれの妃嬪が暮らす宮殿を把握しておくことも重要です。

皇帝が「〇〇宮へ行く」と言った時に、すぐに誰の元へ行くかが結びつくと、心理合戦も読み易くなります。

以下、40話までに登場した妃嬪たちの階級と、それぞれが暮らす宮殿を一覧にしてみました。物語の進捗によって階級が変化していくので、こちらでは初登場時の階級を記述しています。

順位役名(字)読み方宮殿モデルとなった人
皇帝乾隆帝 (弘暦)けんりゅうてい(こうれき)養心殿清朝第6代皇帝
1富察皇后(容音)ふちゃ(ようおん)長春宮孝賢純皇后
2高貴妃(寧馨)こうきひ(ねいけい)儲秀宮慧賢皇貴妃
3嫻妃
輝發那拉氏(淑慎)
かんひ
ほいふぁなら(しゅくしん)
承乾宮清高宗継皇后
純妃 蘇氏じゅん-ひ そ鍾粋宮
嘉嬪 金氏か-びん きん儲秀宮
恰嬪 柏氏い-ひん はく永和宮
愉貴人 珂里葉特氏ゆ-きじん けりえて永和宮
舒貴人 納蘭氏じょ-きじん なーらん景仁宮
慶常在 陸氏けい-じょうざい りく永寿宮
女官魏瓔珞ぎえいらく孝儀純皇后

宮殿名を色分けしてみると、誰と誰が仲が良いかもわかりやすくなります。

愉貴人をかばって非業の死を遂げた恰嬪

主要人物の年齢差

登場人物の年齢は、歴史上のモデルから調べることができます。ドラマ内の会話から時間経過がわかる部分もあり、かなり史実に合わせてストーリー建てしていたのがわかります。

後半に入って乾隆帝と瓔珞の会話で「16歳も違うのですよ」と出てきたので、二人の年齢差が16才だというのは確定です!

宮廷で働き始めた頃の瓔珞は15、6歳。30歳の乾隆帝からみたら「お子ちゃま」ですよね。

即位前の乾隆帝と富察皇后が婚姻した同じ年に、瓔珞が誕生してるのョ!

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聞き慣れない言葉の数々…

中国清朝時代の物語ということで、時代も国も未知の世界。聞き慣れない言葉が飛び交います。

その中から気になったものを調べてみました。知っておくだけで少しだけストレスなく楽しめます。

秀女選び

ドラマ第1回目、物語はこの「秀女選び」から始まります。主人公の瓔珞が初めて紫禁城に出仕した同じ日、瓔珞のいる一行とは異なり、身分の高そうな着飾った若い女性たちが庭園に集まっています。彼女たちの目的は「秀女の最終選抜」です。要するに后妃選定の面接試験だったのです。大体15、6歳の女性が集められたようです。

繍坊

瓔珞が最初に配属されるのが「繍坊」です。
ドラマ第1回目を観ればすぐにわかりますが、刺繍を施す専門部署です。

御前侍衛

皇帝の近侍(衛兵)。

太監

このドラマを観るまでは「太監」という呼び方を知らなかったのですが、いわゆる「宦官」のこと。皇帝や妃嬪たちに仕えて日常の雑務をこなす身分の人達。

宦官なら聞いたことがありましたが、どうやら清朝時代には太監と呼ぶようになっていたようです。

内務府

宮廷内の雑事を一手に引き受ける部署。ここのトップが内務部総監。

辛者庫(シンジャコ)

このドラマでは、宮女や太監が不始末を働くと必ずと言っていい程「辛者庫送りだ!」となるので、牢獄のようなものかと思っていたら、辛者庫という「部署」のように使われていました。

宮中でも特に厳しい仕事を行う場所という設定でしたが、身分そのものを落とされることでもあるようです。

「お前は辛者庫送りだ!」

杖刑(じょうけい)

辛者庫送りとセットのように使われていた「杖刑〇〇回!」という言葉。

初めは言葉しか出て来なかったので想像するしかありませんでしたが、何話目かあたりで実際にその場面も出て来るので「あぁ!」となりますが、簡単に言えば「お尻叩きの刑」ですね。

とはいえ木の板を使い本気モードで叩くので、決して軽い刑ではありません。100回以上を指定されると、死罪と同等になってくるイメージでした。

何度でも観たくなること間違いなし!

とにかく物語全てが伏線と言ってもいいくらいで、真相が判明した時ほど、以前の出来事を見返したくなることが多いです。

ジワジワと何かが起こっている予兆を感じながら、それがハッキリしない状態が続いて、すっかり忘れた頃に、「あっ!」と結びつく面白さがこのドラマの醍醐味でもありました。

ひとつひとつの出来事がしっかり回収されていくので、とにかく「反省会」が楽しいです。

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