芝張り作業が終わったからといって、放っておいては美しい芝庭にはなりません。
枯れてもダメ。伸びすぎてもダメ。「そこそこ」の満足を保つためには、それなりの努力が必要なんです。
これまでの15年を振り返りながら、我が家流の芝生の手入れについてまとめました。
生育状況
まずは、芝張り後の約4か月の状況を写真で見ていただきましょう。
もっと写真を残しておけば良かったと思いますが、なんとか変化がわかるように並べてみました。
隙間なく並べたつもりでも、芝張り直後は切り芝の1枚1枚が目立ちますね。近くで見ると、それなりに繋がったように見えるんですけどね…。
ゴールデンウィーク中に芝張りの作業を行い、8月には綺麗なグリーンが完成しました。
水遣り
芝生が元気で健康に育つために大切なのは、太陽と水。まずはこれが基本です。幸いなことに、我が家は太陽が燦燦と降り注ぐ南向きの庭です。あとは水です。
定着までの水遣り
芝張り作業。これはもう「ただ並べただけ」と言っても過言ではない状態です。
芝生は生き物。彼らが自分の力で生きていくためには、大地にしっかり根を張り、自分で養分を取れるようにならなければなりません。
置いただけの切り芝が、ペラッと持ち上がる間は油断大敵。ビクともしない状態になるよう定着してこそ、本当の意味での芝張り作業の完了といえるでしょう。
そう例えるなら、赤ちゃんにミルクを与えるのと同じです。
そのためには日々の水遣りが欠かせません。
第1弾にも書きましたが、芝張り直後はとにかく「水、水、水…」。
水遣りのために起床し、水遣りのために急いで帰る。そんな日々を過ごしました。
なぁ~んて偉そうに書いてますが、実際には造園会社の社長さんの受け売りです。
水遣りのことは社長から何度も念を押され、「ふぁ~い…」と心無い返事の夫婦に『喝!』を入れるべく、何度も訪れてはお尻をたたいていきました。
真夏には、社長自ら夕方の水遣りをしていることがあるくらいでした。
そんなこともあり、便利なツールを手に入れて、せっせと水遣りに励みました。
秋に入ると徐々に水遣り回数を減らし、冬は一旦お休みです。
芝生の緑が薄れていき、ピタッと成長しなくなるのは面白いですよねぇ。
定着後の水遣り
2年目以降、芝生は定着さえすれば水遣りの作業とは無縁かな?と思っていましたが、実際には夏の水遣りは欠かせません。
でも大丈夫。
スプリンクラーとタイマーのおかげで「いつの間にか終わってる」状態です。
早起きして散水する手間を朝のルーティーンに入れる必要はありません!
ほんと、タイマー様様です。
芝刈り
美しい芝庭を保つには、なんといっても芝刈りが欠かせません。
芝刈り機購入
ぺらっぺらだった芝生がガッチリと根を生やして定着した後は、驚くほどの速さで葉が伸びていくのがわかります。
そこで準備したのが芝刈り機です。
電動式か手動式かで悩みましたが、ショップサイトに載っていたリール式の刃に魅せられて、バロネスという手動式の芝刈り機に決めました。
まぁ、これもいわゆる『新築ハイ』の状態でポチッてしまったものです。
けど、良い道具は美しいと言いますが、時代が時代なら「映えるわぁ~」とバシバシ写真を撮っていたことでしょう。それくらい、なんかフォルムが好き。
手動式にもかかわらずパワフル、かつ仕事が早い。切れ味が良いので、シュルシュルと刃が回転して刈れていく様子は快感でもあります。
むしろ集草箱に収まらなかった芝を集める作業のほうがよっぽど大変。
初めての芝刈り
芝張り直後の芝は、大体3週間ほどで定着したようでした。こうなるとビクとも動きません。
芝張りの日から約1か月後。6月に入って初めての芝刈りを行いました。
ちょっとした凸凹はありましたが、シュルシュルと刈られて草丈が揃っていくのが楽しいです。
綺麗に芝を刈るコツというのを読みましたが、凸凹があるのでそうそう上手くはいきません。
結局、最初の芝刈りでは見事な『虎刈り』になりました。
7月に入ると芝生の伸び方が恐ろしいほど早くなり、週末ごとに芝刈りです。
ベタ張りしたとはいえ、切り芝どうしのちょっとした隙間の斑模様が気になってましたが、芝刈りを繰り返すことでキレイに一体化していきました。
2年目以降の芝刈り
『生長点』って聞いたことあります?
それとも『軸刈り』っていうのは?
まぁ、普通はないですよね。わたしも後で知ったことです。
でも、芝刈りをするなら知っておいたほうがいいですよ。
簡単に言ってしまうと、芝生1本1本が生長を始める位置のことを『生長点』と言います。この生長点より下を刈ってしまうと、緑が育たなくなって茶色の絨毯になってしまいます。
そして、生長点を刈ってしまうことを『軸刈り』と言うんです。
芝生が伸びすぎるほど生長点が高い位置にできてしまい、刈る位置の調整が難しくなります。
なので、できるだけこまめに芝刈りをしたほうが、綺麗な緑を保つことができるんです。
あとは、夏場の芝生の成長力ですね。
これは本当に驚くほどの成長力で、かなり舐めてました。
いいですか? 1週間でボッ!と伸びます。
冗談じゃなく、体感速度的に ボッ!! ですよ、ホントに。
月曜に”いがぐり頭”だった子が週末には長髪になってた…なんて、ビックリでしょ?
これは姫高麗芝だからなんですかね?(他の品種と比較できないのが悔しい…)
放っておいたらどこまで伸びるのか見てみたい気もしますが、生長点の問題もあるし、現実問題として、あまりに伸びると芝刈り機が入れられなくなります。
芝生が7㎝ほどに伸びると、バロネスちゃんにはお手上げのようです。
つまり、芝生を健康で美しく保つには、ひたすら芝刈りを続けるしかないのです。
芝を張った以上は逃れられない運命ですから、これから芝生を取り入れるご家庭は十分覚悟してくださいね。
それにしても、芝生の上は涼しいのかと思ったら大間違いで、遮るものが無い庭はたとえ芝生の上でも暑いものは暑いのです。早朝か夕方に作業しないと大変。
今にして思います。
あの時TM9があったなら…
あの時キリシマターフを待てば…
15年経ったということは、こちらも15年分、年を取ったということです。しかも年々夏の暑さは厳しくなるばかり。
1回でも芝刈り回数を減らせるなら、それだけで万々歳ですよ。
雑草対策
我が家の姫高麗芝は10月頃から少しずつ色が薄くなり、真冬には枯れたように茶色い葉の色に変わります。
庭全体の色が地味な色合いに変化しちゃいますが、芝刈りから解放される束の間の休息期間として、ありがたくもあります。
問題は植物が新芽を出し始める3月です。
芝生はまだまだ眠ってる状態なのに、雑草のほうは一気に芽を出し始めます。
春の対策
どこからともなく種は運ばれ、芝生よりも早く成長する雑草たち。
雑草が根付かないうちに、とっとと抜いてしまうのが一番です。
ただ、雑草と芝生の根が絡み合って、簡単に抜くことができないことがあります。
そんな時は…
ジャジャ~ン! モンブラン『草取り一番』~!!
先端がギザギザになってるだけのシンプルな道具ですが、結局これが一番。
雑草対策…我が家流
最初の頃は雑草を抜くことに一生懸命でした。ただ、
まぁ~~~、キリがない。
あっちも、こっちも、振り向けば雑草。
気になるところだけ…と始めるものの、芝生の中に座り込むと、立ってるときには気にならなかったものが目に入るようになるんですね。
ちょっと目の前。
あ、あそこにもあるな…
そんなことを繰り返してあっという間に1時間。
必死に抜いたはずなのに、翌日には違う場所で伸びてます。
正直、無理だな…と思いました。
除草剤を撒く手もありますが、犬がいること、時々鳥が何かしらをついばんでることがあり、虫対策にひと役買ってもらってることもあり、できるだけ薬を使いたくありませんでした。
結局『芝刈り=雑草対策』ですよ…。
3月ごろの雑草は、まだ可愛いもんです。背丈のあるものが少ないので。
4月と5月も、よっぽど気になるものが伸びてこない限りは無視です。
芝生と雑草が混在するカオス状態の時期もありますが、ここまで来ると、チマチマと手作業で雑草を抜いても追いつきません。
芝刈りができるようになれば、もう安心。一気に、ダダダーッと刈ってしまいます。
結局、芝生の生長の速さもあって毎週芝刈りをすることが、雑草対策にもなっているというわけです。
実はこの方法、葉をカットする勢いで種を飛ばしてしまい、雑草を増やす恐れもあるのでNGとされる方法みたいです。なので、決して胸を張って誰かにお勧めできるものではないので、そこはご注意くださいね。
でも、どうなんでしょう?
芽が出る。
育ち始め…シュパッ!
伸びようと…シュパパッ!
伸び…シュパーンッ!
カット、カット、カット。
こうして芝刈りをこまめに繰り返し、雑草が育つ余地を与えないようにすると、芝生の成長力のほうが勝つんですよね。
たとえ芝生の中に雑草が紛れていたとしても、よほど目を凝らさないと見えないですよ?
多分、ボーボーに伸びた状態の1回目の芝刈りでは、相当な種を飛ばしてるんでしょう。
その種が育つサイクルよりも先に刈り込んでしまえるか、が勝負だと思います。
毎週この時間がとれるなら、夏の間はむしろ芝生の上の雑草からは解放されます。
「もう、この方法でいいや!」と開き直ったら気が楽になっちゃいまして、気づいたら15年です。
結局、自宅の庭ですからね。住人が満足ならOKなんです。
「そこそこ」な完成度の芝生の庭ですが、私たち的には十分満足な庭です。
ただねぇ~~~
年々暑さが厳しくなる日本の夏。そろそろ次の段階が来てるのかもしれません。
あとは、お掃除ロボット”芝生専用機”とか、出来てくれないですかねぇ?
- 14.8vハイパワーバッテリー
- 日本製モーター内臓ファン
- こだわりの9枚羽ファン採用
- UVカットUPF50+
- 丸洗いOK!(ベスト部のみ)
肥料
いつも元気な芝生だったので何年も肥料をあげたことがなかったんですが、さすがにそろそろ…という話になり、粒上の肥料を撒いたことがあります。
ところが!
あらあら、芝生の至る所が茶色になってしまいました。
綺麗になるまで随分時間がかかりました。
これは『肥料焼け』といって、高濃度の肥料成分にさらされて葉が枯れる症状だったんですね。
考えてみれば、肥料は土に溶かすものですよね。土に溶け込んだ栄養成分を芝生の根っこが吸い上げて、葉に養分が染み渡るというのが正しい順序なわけです。
それがいきなり「どうだぁ~」と葉に撒かれてもビックリしちゃいますわ。
本当は、肥料を撒いた後に散水し、葉から肥料を流す必要があったんです。これはやりがちだと思うのでお気を付けください。
最後に…
憧れだった芝生の庭が完成し、見ているだけで心癒される光景が独占し放題になりました。
よく、訪ねてくる人に「きれいな芝生ですねぇ~」と褒められますが、正直これから挑戦したい人に声を大にして勧められるかと言えば、なんとも言えないところです。
とにかく大変なのは間違いないですから。
でもねぇ~。
この15年。もしもここが芝生じゃない違う景色だったら…。
それもありえない気がします。
いい加減でズボラ管理の夫婦ですら、ここまでなんとか持ちこたえて来たわけですし、心意気のあるアナタ!なら、もっと素敵なグリーンガーデンライフが待っているかもしれません。
それでは、2022年現在の芝生の様子です。
6月に入って芝刈りした10日後くらいですが、もう伸びてます…